「ドライマウス」について
こんにちは勤務医の梅田です。
今回は「ドライマウス」について述べていきたいと思います。
「ドライマウス」とはどういう状態かといいますと、唾液の量が減少してしまい、口の中が乾いてしまう症状で、「口腔乾燥症」ともいわれています。
唾液の量が減少すると、虫歯や酸蝕が進行しやすくなってしまいます。
それは、唾液が虫歯に対する最大の防御因子だからです。
さまざまな作用がありますが、その中でも主なものを3つ挙げます。
イオン貯蔵作用
唾液には歯のミネラル分(リン酸塩やカルシウム)が豊富に貯えられているため、再石灰化を促します。
緩衝作用
酸を中和することにより、唾液やバイオフィルムのpHを7(中性)付近までもどします(pH6〜7.5ではリン酸塩、pH<6で重炭酸塩が主に働きます)。それにより、脱灰の時間を短縮します。
浄化作用
飲食物や細菌を口腔内から洗い流します。
唾液の減少が起きてしまう「ドライマウス」ではこれらの作用が弱まってしまうことによって、虫歯や酸蝕が進行してしまうということなのです。
「ドライマウス(口腔乾燥症)」の有病率は年齢とともに増加し、65歳以上では30%以上とも推定されています。
原因は多様で、体内の水分量、薬剤の副作用全身疾患(シェーグレン症候群、関節リウマチ、アルツハイマー病、パーキンソン病、糖尿病など)、放射線療法、口腔疾患などが挙げられます。
中でも最も多いのは薬剤の副作用です。
高血圧の薬や向精神薬がその筆頭ですが、一般的な処方薬の約80%が唾液減少の原因になるとされています。
また、服用する薬剤の種類が多くなるほど、唾液減少の危険は増し、虫歯になるリスクが高まります。
「ドライマウス」の方におすすめの予防方法を挙げます。
唾液による浄化作用と緩衝作用が低下しているので、食後すぐの歯磨きが有効です。
また、フッ素入りの歯磨き粉を使用することに加え、フッ化物洗口も行うことも効果的です。
食後にシュガーレスのガムを噛むことも、唾液を出すために有効的です。
ここに挙げた予防方法に加え、早い間隔での定期検診をおすすめいたします。
河村歯科 分院
入れ歯・インプラントオフィス