奥歯をインプラントにするメリット・デメリット②
こんにちは!
河村歯科分院 院長の河村俊紀です。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
前回は奥歯のインプラントのメリットについてお話ししましたが、今回はデメリットについてです。
【奥歯のインプラントのデメリット】
⚫︎他の治療に比べて費用が高額
インプラントは病気やケガの場合を除き、保険が適用されないため全額自己負担となります。さらに、インプラントに使われるチタンという金属が高価なため、インプラントの価格自体が高いこともあり、インプラント治療にかかる費用が高くなってしまいます。
⚫︎骨量が足りない場合は骨造成が必要
周囲の歯がしっかりしていれば、入れ歯やブリッジの治療が可能ですが、インプラントの場合、骨の高さや量が不十分だと埋め入れることができません。そのため、GBRやサイナスリフトのような骨造成のほか、骨移植を行うことで十分な骨量を確保する必要があります。
⚫︎治療期間の長期化
骨の状態や埋入方法によって個人差がありますが、入れ歯やブリッジなどの歯科治療に比べて、インプラント治療にかかる期間は長くなります。特に、2回法の場合は、インプラントが結合するのを待って最終的な歯を装着するため、治療が長期に渡ります。
奥歯のインプラント治療を受ける際の注意点
奥歯は食べ物を噛むために重要な役割を担うことから、インプラント治療では高い機能性が求められる部位だといえます。そのため、次のような点には十分な注意が必要です。
⚫︎歯科用CTの画像診断が必要です
インプラント治療を行う場合に必要となるのが、歯科用CTの画像をもとにした診断です。上の奥歯の場合、鼻の両脇に上顎洞と呼ばれる空洞があることから、骨の高さ不足になる可能性が高くなるため、CT画像をもとにインプラントを埋入する角度や深さを検討する必要があります。
また、下顎の骨の中を通る下顎管と呼ばれる管の中には、下歯槽神経や下歯槽動脈、下歯槽静脈が走行しています。手術中にインプラントを埋入する穴を作るドリリングを行う際、下顎管の傷つける恐れがあるため、事前にCT画像で位置を確認しておかなければなりません。
⚫︎治療の妨げとなるリスク要因を減らしましょう
インプラント治療には、手術中に合併症や偶発症を引き起こしたり、骨結合や治癒を妨げたりするリスクファクターがあります。手術を受ける前に、それらの危険因子を可能な限り取り除き、治療の安全性を高めることが必要です。特に、糖尿病や心疾患、骨粗しょう症、貧血などの全身疾患には注意しましょう。
さらに、喫煙はインプラントの骨結合を妨げるほか、インプラント周囲炎を引き起こす原因となることから、インプラント治療を受ける上で大きなリスクとなります。そのため、タバコを吸う場合は担当歯科医師と相談し、計画的に禁煙を進める必要があります。
⚫︎定期的なメンテナンスを受けましょう
インプラントを長く使い続けるためには、治療後のメンテナンスが大変重要となります。定期的に歯科医院を受診して、インプラントや周囲組織の状態を確認するほか、歯磨き指導やインプラントの周囲のクリーニングを行うことにより、インプラントの生存率や成功率が高まるのです。
特に、歯周病に似た症状のインプラント周囲炎は、処置が遅れるとインプラントの脱落を引き起こす恐れがあります。歯肉の腫れや出血、インプラントの動揺などの、インプラント周囲炎の症状を早期発見・早期治療するためにも、メンテナンスを忘れずに受けることが大切です。
河村歯科 分院
入れ歯・インプラントオフィス